映画「七人の侍」に倣って七人のスタッフを集めましょう。
製作 映画製作全般を管理する人です。強面のする強力なリーダーシップを持つことが大切です。監督と対等に渡り合える立場の人がなるべきでしょう。製作は現場では威張っていればそれでよいのであって、軽々しく他のスタッフの手伝いなんかしないくらいの方がよいでしょう。プロデューサーともいいます。しかし実際は監督の最大の理解者であり、パートナーでなくてはいけません。
監督 映画の作品的な内容面の全責任を負う人です。映画の製作中に、その映画の全体像がただ一人見えていなければいけない人です。俳優が演出に口を出すのは本来慎むべきものでしょう。自主映画の場合は監督が、結局全ての仕事をしていたりします。日本の映画界では監督のことをディレクターとは呼びません。テレビに対する対抗意識からでしょうね。
撮影 実際にカメラを回す人です。目がよいことはもちろんですが、水平感覚や距離感覚に優れた人であるべきでしょう。メカに強い人がなるべきです。演出以外では一番やりたがる人が多いです。別名は当然、キャメラマン。決断力と責任感が必要です。
助監督 監督の手となり、足となり働く腰の軽い人がなるべきです。人当たりがよくて、憎めない性格の人がよい。「すみませ〜ん」の一言で人や車の交通を止めたり、急な交渉事をこなしたりしなくてはいけません。カチンコを打つのも大切な仕事です。テレビではADと呼ばれています。
照明 体力が必要です。銀レフを掲げて頼りない太陽光を探したり、同じポーズをとりつづけたりするのは結構大変です。撮影と仲の良い人がやるべきでしょう。三次元に見せるためには、最低三方向から照明は当てた方がよいと言いますが、なかなか手が回りません。ビデオ撮影の場合は不自然な影を作ることよりも、全体がフラットな照明にならないように気をつけましょう。昨今のテレビドラマの照明はバラエティ番組の照明のように全体がフラットになっていて、陰影がつかない絵が多いので、普段からその点に注目して作品を見ているような人がいいでしょう。映画は光と影が作り出す芸術と言われるものですから、その光を全て操るのが照明です。撮影と並んで製作の要となる重大なパートです。
記録 現場では地味な仕事ですが、記録がしっかりしていてくれると全員が助かります。縁の下の力持ち。撮ったシーンやカットの内容、その日の役者の服装や髪型など細かいチェックが必要です。本来は監督や撮影が気が付かなければいけないのですが、カットが変わると役者の立ち位置が違っていたり、服装が違っていたりするのはまずいですから。タイムキーパーとかスクリプターと呼ばれる人のことです。
美術 本当は大道具や小道具の準備、衣装やメイクまで手配する人ですが、我々などの場合は題字や字幕なども書かされたりします。当然、絵心やレタリングに秀でている人にやってもらいたいものです。更に映画によっては特殊撮影、特殊メイクなども必要になります。私の作った映画には銃撃戦のシーンが多かったので、硝煙や弾着、血糊などけっこう仕事はたくさんありました。
以上が現場で必要なスタッフの種類ですが、当然ながら撮影や照明は助手が必要ですし、本来助監督も何人か必要です。とはいえ手が足りないのが自主映画。最低、撮す人撮される人がいれば何とかなるでしょう。とりあえず、ここまでスタッフが確保できれば初期段階では出来すぎです。